Ultron 27mm F2 × FUJIFILM X-PRO3
Ultron 27mm F2 × FUJIFILM X-PRO3
写りの良さも併せ持つパンケーキ。 ULRTON 27mm
フォクトレンダーから登場したウルトロン27mm F2 Xマウント。
これまで発売されたフォクトレンダーのXマウントレンズは、コンパクトでありながらF1.2と大口径のNokton 35mm、Nokton 23mm。そしてマクロのAPO-ULTRON 35mm F2といい感じで揃ってきていた。そしてついに個人的に本命というか、薄型パンケーキの登場。
35mm判換算40mm、45mmあたりは一番日常を切り撮るのにバランスがいい。フィルム時代はCONTAXボディにCarl Zeiss Tessar 45mm F2.8を愛用していた。非常にコンパクトかつ薄型でまさにパンケーキレンズだった。日常的にカメラを持っていたい自分にとって、レンズは薄くてコンパクトであることに越したことがない。バックなどにも収まりやすく、撮りたいときにすっと取り出せるというもの。ボディキャップ代わりとまでは言わないまでも、レンズの存在を感じさせない軽快さがパンケーキレンズの良さだろう。
そして今回のULTRON 27mm F2。CP+での参考出品から気になっていて、発売日を待ち遠しく楽しみにしていた。そして手にして数日使って見て、もうこれはつけっぱなしレンズ確定だなと感じた。サイズ感、操作性、何より(あまり期待していなかったが)写りがめちゃくちゃいいのだ。
パンケーキながらF2開放から生まれる立体感
ピント面はキレキレという印象ではないが、開放でも周辺まで破綻なく非常によく写る。僅かな周辺減光はあるが、それがまた丁度美味しいと思える塩梅。そしてF2の開放値からくる立体感はなかなか気持ちいいものだ。最短撮影距離25cmは思いの外無理なく被写体に寄っていける。そしてそのピント面はしっかり力強く、滲みなどはほぼ感じない。そしてボケ感はというと、これF2?と思うほどの深さを感じる。その落差からも被写体が浮き上がり立体感が強調される。いや〜、この27mm F2の表現力は中々舐めたもんじゃない。
マニュアルレンズとして正しく気持ちのいい、ULTRON 27mm。
以前のブログでも書いているが、これまでのフォクトレンダーXマウントレンズで、とても使いにくいと感じていたのがオーバーインフ(Over Infinity)。ピントが無限で止まらず、無限を超えたところまでピントリングが回るという仕様だ。
昨今の高解像度ミラーレスでシビアなピントを求めると止む無くというところかもしれないが、遠景を撮るのにスッと無限側にピントリングを回し切ったらすべてピンボケという事になる訳だから、これはフィルム時代からマニュアルレンズでの撮影感覚からすると、恐ろしく使いにくいものである。
それが今回ULTRON 27mmでは無限でキッチリ止まる仕様となっている。
そう、これこれ!
ある程度パンフォーカスで撮影がこのレンズに合っての仕様かもしれないが、遠景でのピント合わせのストレスから一気に開放される事となった。
さらに小さく着いているピントノブの位置が絶妙に良い。無限の位置では、正面から見て左斜下の位置にあり、そこから手前に回すことで気持ちよくピント合わせが出来る。また回転角も程よく、LEICAレンズに慣れた体には軽快そのものである。もうこの点だけでもULTRON 27mmは買う価値があると思う。
X-PRO3とのルックスもたまらないドームフード。
パンケーキレンズにドームフード。もうコシナ・フォクトレンダーは憎いくらいツボを抑えている。さらにアルミのキャップまで付くという。
小さいULTRONには更に小さいボディもマッチするだろう。所有のX-E2に着けてみるとサイズ感もとても良かった。しかしながらモデルが古すぎてレンズの対応ボディには入っていない。今ならX-E4あたりが良いのだろう。しかし、やはりX-Pro3のチタンボディには敵わない。この質感、風合いはまさに唯一無二。今となってはやや使いにくさも無いことがない格納LCDだが(汗)、ボディの存在感だけで全て許してしまう。
新しいレンズを手に入れると気持ちも高まるもの。フォクトレンダーのXマウントレンズの充実がXボディの魅力を増していることは間違いない。