HELIAR classicという個性

HELIAR classicという個性

HELIAR Classic 50mm F1.5のもつ特別

デジタルカメラも高画素、高解像度が進む中、各レンズメーカーはその描写に耐える高画質を求めしのぎを削っている。そんな中、勝手な話、よく写るだけでは物足りないとか言いつつ、懐かしいオールドレンズの描写を求めレンズの沼にはまっていくものだったりする。
フォクトレンダーは、その懐かしいオールドレンズの描写をオマージュするレンズをいくつも出している。私自身、NOKTON classic 40mmや35mmなどを購入して使っていた。使っていて感じ出したのが、それらはオールドレンズの描写をイメージするものであって、ちょっと言い方が悪いが本物とは言えない。
では、その当時のオールドレンズを探し手に入れて、その描写を楽しめばいいという当然の流れとなるのだが、実際、状態にもよるが手にしたオールドレンズが当時の描写のまま表現してくれるかは、中々難しい問題だったりする。劣化も含めてオールドレンズと楽しめばいいだけなのだが…。
LEICAは、Noctilux-M f1.2/50mm ASPH.やThambar-M 90 f/2.2など当時の設計を現代の技術で蘇らせ復刻モデルをいくつも出している。金額はさておき、その描写を求めるのであれば、これらを手に入れるのが一番の近道かも知れない。
そんなこんなで、オールドレンズには色々思うところはあるが、昨年発売と同時に手に入れたVoigtlander HELIAR classic 50mm F1.5 VM。このレンズを使って、これまでのフォクトレンダーclasiccシリーズに対するモヤモヤが吹き飛んだような気がする。このレンズには、これまで手にしたclasiccシリーズとは違う「HELIAR classic」というオリジナリティを感じるのだ。

LEICA M10-P / Haliar classic 50mm F1.5
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5 VM
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5 VM
20211209-L1000657
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5 VM

美しい泡。

私の思うレンズの表情はピント面とボケの描写で決まる。その表情が好みか否かで愛玉になるか手放すかが分かれる。
HELIAR classic 50mm F1.5のピント面はと言うと程よい収差が残り、絵によってはその収差の分ピントに厚みが生まれ心地よい立体感を感じる。
そして特長となるのがボケ。グルぼけになることもなく素直で、距離によっては溶けるようなボケではなく、像の芯が残るためややざわついた印象ではあるが、それによって立体感も生む。そして魅力となるのが球面収差特性からくるクッキリとしたボケ玉だろう。この美しい泡を見ているだけで何杯も酒が飲めそうだ。

LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5 VM
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5 VM

私自身、LEICAをはじめとしたオールドレンズをいくつも手にしてきた。レンズによっては同じレンズを何本も買い替えたこともある。オールドレンズマニアとなればその数は私なんかの比ではないだろう。
手にしたレンズの特長は様々だが、極端な滲みやグルボケなど癖玉と言われる描写はあまり好まない。
HELIAR classic 50mm F1.5は様々なオールドレンズの表現を知り尽くしたフォクトレンダーが生み出したオリジナルのクラシックレンズと言えるだろう。

LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5 VM
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5 VM
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5 VM
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5 VM

このレンズの魅力としてあるのが最短50cmというところ。もちろん距離計は70cmまでしか合わせられないが、ライブビューで近接撮影も可能だ。M型LEICAを持ち出した際にテーブルショットのためにカメラ二台持ちしていた事もあったが、このレンズは一本でクリアしてくれる。何気に嬉しいポイントだろう。

そして大事な魅力としてあるのがこのルックス。フォクトレンダーのレンズデザインはどれも秀逸で美しいものが多いが、LEICA Mにつけるともう一つピンと来ないものもある。しかし、このHELIARは厚く塗られたブラックペイントにニッケルのツートーンで、ブラッククロームのLEICA M10-Pに装着しても何とも似合っている。この佇まいを見ているだけでまた酒が何杯も飲める(笑)。
所有していたくなるレンズの条件にはそのデザインも重要だ。写りがよくても見た目がよく無ければ持って出掛けたくならないもの。HELIAR classic 50mm F1.5は、その両方を兼ね備えた本当に素晴らしい一本だと感じる。

LEICA M10-P Heliar classic 50mm F1.5
LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5 VM
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LEICA M10-P / HELIAR classic 50mm F1.5

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