私的SIGMA FP

私的SIGMA FP

私的SIGMA FPの魅力

SIGMA Iシリーズ。Premium Compact Primes。65mm、35mmの登場に魅力を感じて手に入れた両レンズだが、それを使っていくうちに、このレンズのボディにはやはりコンパクトなSIGMA FPであるべきだろうと、レンズきっかけで購入したと言ってもいいFPだが、ことのほか魅力あるカメラだと日に日に感じるようになってきた。
大手を振って薦められるカメラでは無いの周知の事実だろうと思うが(汗)、超個人的にその魅力のポイントを綴ってみる。

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SIGMA FP / SIGMA 35mm F2 DG DN (Teal and Orange)

私自身、様々なカメラを使ってきたが、ずっと使い続けているのはLEICAとFUJIFILMだ。両者の魅力の根底にあるのは、やはり写真を愛し、写真という文化とともに歩んでいるメーカーと言うところだろう。もちろん、写真の歴史と共に歩んできたメーカーは多いのだが、LEICAとFUJIFILMには、写真を撮る行為そのものも楽しめるというカメラ造りを感じる。
そしてなんと言っても使い続けている一番の理由はその写真表現であり画作りだ。両者の画作りはもちろん異なる。しかし、いずれも自分が描きたい色味、トーンを生み出してくれるのだ。

そして今回手にしたSIGMA FP。DPから始まったFOVEONセンサーによる独特の表現や世界観はFPにも息づいている。その画作りはまさにSIGMAワールドだ。

もちろん、カメラとしては使い勝手はお世辞にも良いとは言えない。言うまでもなくファインダーがないことを筆頭に、ミニマルすぎて持ちにくいし、操作する指の位置もしっくり来ない。様々なアダプターを組み合わすという多角的な仕様がFPの持ち味ではあるが、それが使いにくさにつながっているのも事実。撮影を楽しめるという点では決して気持ちがいいとは言い難い。
しかしながら、その画はまさに自分にとってどストライクな画なのだ。開いた瞬間に撮影時の苦労も全て忘れてしまうと言う何とも愛すべき存在になってしまっている。

SIGMA FP / SIGMA 35mm F2 DG DN (Teal and Orange)
SIGMA FP / SIGMA 65mm F2 DG DN (Teal and Orange)
SIGMA FP / SIGMA 35mm F2 DG DN (Teal and Orange)

とにかくFPの素の画がいい。ローパスレスのキレの良さと解像感はもちろんだが、階調、トーン、色の表現、どれを取っても私自身の好みなのだ。
そして画の良さから生み出される、SIGMAの表現として搭載されている「カラーモード」がものすごくいい。これはFUJIFILMでいうところのフィルムシミュレーション的なものだが趣が異なる。どちらかというと映像表現のカラーコレクションの印象だ。しかもこのカラーモードはそのフィルターの強弱を付けられる。一つのモードを選び、例えば強くあたると思えば「-2」くらいに設定するなど、イメージに合わせて調子を変えられるのだ。
その中で気に入っているのが「ティールアンドオレンジ」。設定はほぼその「-2」としている。

私自身、映画が好きで、素晴らしい映画にはカメラワークはもちろん、その映像表現や、画作りに魅せられるものも多い。こんな画が撮りたいなと思うことも多く、その画作りがSIGMA FPのカラーモードで作り込むことが出来る。「ティールアンドオレンジ」のほか「シネマ」や「FOVクラシックイエロー」も気に入っている。写真に合わせて、撮影後カメラ内現像でコントロール出来るところもいい。

SIGMA FP / SIGMA 35mm F2 DG DN
SIGMA FP / SIGMA 65mm F2 DG DN (Teal and Orange)
SIGMA FP / SIGMA 35mm F2 DG DN (Teal and Orange)
SIGMA FP / SIGMA 35mm F2 DG DN (FOV Classic Yellow)
SIGMA FP / SIGMA 35mm F2 DG DN (FOV Classic Yellow)

カラーモードに加え気に入っているのがレンズ補正の調整だ。デジタルカメラになって、最近は様々な補正をデジタル処理で行うが、なんでも補正してキレイに整えてしまえばいいものでは無い。
特にレンズの周辺減光などはある意味レンズを通して撮るからこその写真のエッセンスとも言える。それをキレイさっぱり削ぎ取ってしまっては味気ないものだと感じる。SIGMA FPでは周辺光量補正をOFFに出来る。仕事以外のプライベートで撮る写真はレンズの味わいも含めて写真表現としたい。気になって補正が必要ならLightroomなどで行えばいいだろう。
LEICA Mマウントのレンズなどはそもそも補正データがないのはあるが、そのレンズを通しての写真には趣がある。もちろんフィルムではなくデジタルカメラによって周辺減光は大きく出てしまうが、それはそれだろう。Noctiluxなどはえげつない感じだ(笑)。
周辺減光補正のOFFはRICH GRなどにもある。FUJIFILMのX100にもぜひ搭載してほしいモードだが、メーカーの考え方もあるのだろう、残念ながら搭載されていない。

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SIGMA FP / SIGMA 65mm F2 DG DN (FOV Classic Yellow)

その周辺減光補正をOFFにしたSIGMA 65mm F2、SIGMA 35mm F2の両レンズだが、これまたいい塩梅の周辺おちで、何とも気持ちがいい。立体感のあるレンズ描写に強烈な解像感。さらに趣きも感じる画作り。まさに欲しかったのはこういう表現だ。
写真に求める表現は人によって様々でそれが個性だろう。先ず撮って出しで気に入った画が出てくるカメラが撮り手にとっても大切なところ。あとは自身で追い込めばいい。SIGMA FPは私にとって、その画を生み出せる一台と言えるのだ。

ちょっとした外出にも常に傍らに置いておきたいのが、コンパクトボディに単焦点のカメラだ。
時にはM型LEICAだったりX100やX-Pro3だったり。LIECA Q-Pも一時期持っていたが28mmはほぼ使わず、35mmのクロップだと写りが良すぎて逆に味気ないものだった。ここ最近はSIGMA FPと35mm F2 DG DNの組合せがお気に入りとなっている。

画が良ければ全て許してしまうカメラ。SIGMA FP。
手に入れてから二ヶ月ほど。使えば使うほどその魅力にはまってきている。
しばらく離せない存在になるだろう。

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